第二TOKYO-revive-(第一章)P3君の名は・・・ [小説Ⅱ]
第二TOKYO-revive-
第一章 君の名は・・・
「おまえたち、何者だ?」
いつにもまして、低い声で斗織が言葉を発した。右手には拳銃が握られている。
「相手の正体を尋ねる時は自分からって、教わらなかったか、坊主。」
憮然な態度で応じる男に向かって、斗織は拳銃を構える。
「どうせ、調べて知ってるんだろう?これ以上俺らの何が知りたいって?」
「フェアじゃないよなぁ。お嬢ちゃんも、そう思うだろ?」
場の空気に似合わず、ふざけた口調で秋生が言うと、男がゆっくりと斗織に近づく。
銃口が胸にあたるほど近くに来て止まり、まじまじと斗織の顔をながめる。
「気に入った。俺は要(カナメ)、そっちは巴。GSTRのブラッド・オブ・ザ・レッドのボスと補佐。
アースの指示で、天野斗織を監視していた。」
斗織には、何を言っているのかさっぱり分からないようだったが、
秋生はまったくと言っていいほど逆の反応をみせた。
普段真剣な顔などめったに見せない秋生が、真剣な顔をしている。
斗織はそれだけで、とんでもないことに巻き込まれたのだと察知したが、もう遅かった。
要と名乗った男はその一瞬の隙を見て、ふところに隠し持っていた拳銃を取り出し、
引きがねを引く。鈍い金属音と共に、秋生の腕から巴がずり落ちる。
「今日はここらで切り上げるが、次は本気でかかってこいよ、坊主ども。」
不気味ながらも品のある笑いを浮かべながら、要は斗織から離れ、歩き出す。
秋生がとっさに要に銃を向けるが、要は声を立てて笑いながら、なおも歩みを止めようとしなかった。
「アシュ・グレイの幹部も、落ちたもんだなぁ、キオ。」
秋生の瞳は羞恥と憎悪に染まり、斗織は、おぞましさが背中をかけのぼるのを確かに感じた。
斗織と秋生は、要が柱の影の闇に消えるまで、声帯さえも自由にすることができなかった。
第一章 君の名は・・・
「おまえたち、何者だ?」
いつにもまして、低い声で斗織が言葉を発した。右手には拳銃が握られている。
「相手の正体を尋ねる時は自分からって、教わらなかったか、坊主。」
憮然な態度で応じる男に向かって、斗織は拳銃を構える。
「どうせ、調べて知ってるんだろう?これ以上俺らの何が知りたいって?」
「フェアじゃないよなぁ。お嬢ちゃんも、そう思うだろ?」
場の空気に似合わず、ふざけた口調で秋生が言うと、男がゆっくりと斗織に近づく。
銃口が胸にあたるほど近くに来て止まり、まじまじと斗織の顔をながめる。
「気に入った。俺は要(カナメ)、そっちは巴。GSTRのブラッド・オブ・ザ・レッドのボスと補佐。
アースの指示で、天野斗織を監視していた。」
斗織には、何を言っているのかさっぱり分からないようだったが、
秋生はまったくと言っていいほど逆の反応をみせた。
普段真剣な顔などめったに見せない秋生が、真剣な顔をしている。
斗織はそれだけで、とんでもないことに巻き込まれたのだと察知したが、もう遅かった。
要と名乗った男はその一瞬の隙を見て、ふところに隠し持っていた拳銃を取り出し、
引きがねを引く。鈍い金属音と共に、秋生の腕から巴がずり落ちる。
「今日はここらで切り上げるが、次は本気でかかってこいよ、坊主ども。」
不気味ながらも品のある笑いを浮かべながら、要は斗織から離れ、歩き出す。
秋生がとっさに要に銃を向けるが、要は声を立てて笑いながら、なおも歩みを止めようとしなかった。
「アシュ・グレイの幹部も、落ちたもんだなぁ、キオ。」
秋生の瞳は羞恥と憎悪に染まり、斗織は、おぞましさが背中をかけのぼるのを確かに感じた。
斗織と秋生は、要が柱の影の闇に消えるまで、声帯さえも自由にすることができなかった。
2009-07-15 21:29
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コメント(3)
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小説新作だぁ~♪
「次は本気でかかってこいよ、坊主ども。」
ってセリフがなんかかっけぇー!!
by an (2009-07-16 21:49)
要と秋生の駆け引き、たまらないねぇ。
このダークな感じが俺は好きだな。
by プロメテウス (2009-07-17 17:40)
私もこのセリフ、好き。
どうしてもこういうのを入れたかったんだよ、うん。
そして、駆け引きと読み取ってくれたなら幸いです。
それっぽく書けたかな、と不安だったんで。
by sai (2009-07-20 11:32)